初冬の冷え込んだ快晴の夜明けは、昨晩からの放射冷却現象で非常に気温が下がり、田んぼの水蒸気が濃い霧となってあたり一面を覆い尽くします。ひどい時には1メートル先も分からないほどに霧が立ち込めます。
そんな中、東の空にかすかな光が生じて、やがてだんだんと明るさが増し、日が昇ってくる様は非常に幻想的です。思わず、手を合わせたくなる田舎の田園の日の出です。

昔、明治時代にかのラフカディオ・ハーン(和名 小泉八雲)が日本中を旅した時、出雲の国での出来事。夜明け前に、農村部を散策した時、すでに農民たちが田畑に出て農作業に精を出していた勤勉さに驚いています。もっと、ハーンを驚かせた光景が次の瞬間に起こります。それは、太陽が昇ると一斉に農民たちは農作業の手を止め、日の出に向かって手を合わせて拝んだというのです。あまりにも敬虔で厳かな風景に、カーンは深い感銘を受けるとともに、この東洋の外れの国、日本がいずれは世界の大国になるだろうと確信したということを日記に綴っています。
私の中にも、そうした日本の農民のDNAが確実に残っているからこそ、日の出に対してひときわ畏敬の念を感じるのでしょう。

もう秋の刈入れもすっかり終わりましたが、先日マイセンの地主(田んぼを貸して下さる農家)さんのお一人から、こんなお言葉をいただきました。
その方には、刈り取った後の稲ワラをコンバインで裁断せずに、そのまま残してほしいとのご依頼を受けて、ワラをとっておいたのでした。農家の方は、そのワラを翌年の畑に敷き詰めるために利用します。
その方いわく「いや~あんまりワラが立派なんでびっくりした!!一本一本がとても太くて頑丈そのものだ。自分が田んぼをしていた時には、こんな素晴らしい稲は作ったことがなかったよ!どうやったら、あんな稲が出来るんだ?それに、ひと株ひと株の本数を数えたら40本もあって、これまたびっくりした。自分は最高20本がせいぜいだったがね~。」
と、えらくほめられました。
その方は、かなりのご高齢で、頑固者で有名なおじいちゃんですので滅多に人をほめるのを聞いたことがありませんでしたので、こちらの方がびっくりです。
とても、几帳面なおじいちゃんで、田んぼのワラをきちんと束ねて、田んぼの中に干していました。


















