玄米食に足りない栄養素を補おう!
玄米大事典「玄米のビタミン、ミネラルってどんな物?」では、玄米と白米を比較した時に白米よりも優れている部分について、
ビタミンとミネラルに注目して解説してきました。
しかし、玄米には含まれていない栄養素も存在します。
その玄米に足りない栄養素としては、ビタミンBやミネラル以外のビタミンや鉄、カルシウムがあります。
では足りない栄養素を補うためにどうすればいいのでしょうか。
今回は、足りない栄養素とその効果、含まれている食材を紹介しようと思います。
・足りない栄養素 ビタミン編
玄米は、ビタミンB郡のB1やB2、ナイシアン、B6、パテントン酸、葉酸といった豊富なビタミンが含まれています。
もちろんこれらのビタミンも体の健康を維持していくのになくてはならないビタミンですが、
体の健康を維持していく上で他にも必要なビタミンが数多く存在します。
表1.水溶性ビタミン
表2脂溶性ビタミン
・ビタミンC
ビタミンCとビタミンB12は玄米に含まれないビタミンです。
ビタミンCは、抗酸化作用、コラーゲン生成補助、鉄分吸収促進、免疫系の補助といった効果を持っています。
特にコラーゲンを構成するにはビタミンCが必要です。
ビタミンCに美容効果を期待する宣伝があると思われますが、このコラーゲン生成や抗酸化作用に付随するものですね。
ビタミンCは、果物や野菜から取ることができます。
果物では100gあたりのビタミンC量でアセロラが一番多いですが、
実際に摂取するとなるとオレンジやキウイフルーツなどに含有量が多いです。
野菜では、ピーマンやパプリカ、ブロッコリーに多く含まれています。
ビタミンCは水溶性で熱に弱いため、意識的に摂取する場合は生食を心がける事が重要です。
・ビタミンB12
ビタミンB12は、神経や血液の正常に機能させるために必要なビタミンです。
特に造血に必要なビタミンであり、葉酸と共に血液や赤血球の成熟に必要とされています。
別名で「赤のビタミン」と呼ばれている事もあります。
このビタミンは主に動物性食品に含まれています。
摂取し易い食べ物だとしじみなどの二枚貝や牛レバーに多く、魚類だと丸ごと食べられる魚や魚の内蔵に特に多く含まれています。
現代の多種多彩な食文化となった日本では、意識して摂取せずとも摂取できているビタミンとも言えます。
・ビタミンA
ビタミンAは、正常な視力の維持、免疫系や臓器系の機能補助に必要なビタミンです。
皆さんに馴染み深いものだと「βカロテン」もビタミンAになる色素です。
ですので、緑や黄色の色をした野菜に多く含まれています。
βカロテンは、動物や植物に含まれている黄色の色素成分で体内に取り込まれるとビタミンAに変わります。
βカロテンは植物に含まれていますが、動物には「レチノール」というビタミンAになる成分が含まれています。
βカロテンが含まれている食材として、にんじんやかぼちゃ、ほうれん草、モロヘイヤなどがあります。
レチノールが含まれている食材としては、牛豚鳥などのレバーや魚介類だとぎんだらやうなぎ、肝焼きやうるかなどに含まれます。
ただし、野菜類に比べ魚介類の含有量には大きな差があります。
基本的にビタミンAは肝臓に貯蔵されていくので過度にビタミンAを避けていなければ足りないということはないと言われています。
・ビタミンD
ビタミンDは、骨や歯の形成成長に関わりカルシウムとリンの吸収促進をします。
ビタミンDは、油の乗った魚(鮭やマグロ)やごく少量ですがきのこ類からも摂取することができます。
食事からの摂取以外にも日光の紫外線を浴びる事で生成されるビタミンです。
一般的に顔や腕を露出した状態で15分以上日光に当たる事でビタミンDの生成ができると言われています。
・ビタミンE
ビタミンEは、免疫向上や血液凝固防止を補助します。
ビタミンEにもビタミンCのように抗酸化作用があり血管の拡張を補助して血流改善にも期待できます。
ビタミンEは、ほうれん草やパプリカと言った緑黄色野菜やナッツ類、ひまわり油などの植物油にも含まれています。
・ビタミンK
ビタミンKは、血液凝固の補助や骨の形成を補助します。
特に血液を固める因子が肝臓で作られますが、その因子にビタミンKが必要です。
ビタミンKが含まれる食材は、ほうれん草やモロヘイヤ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。
肉や卵にも含まれていますが量では圧倒的に緑黄色野菜に多いです。
ビタミンKは腸内細菌の働きによっても生成されていますので、
バランス良い食事を行っていれば過度に足りなくなることはありません。
あくまで腸内細菌の働きは補助的な意味合いで基本は食材から摂取する必要があります。
・足りない栄養素 ミネラル編
玄米には白米と違い糠や胚芽が残っている為、カリウムやマグネシウム、マンガン、リンと言ったミネラルが残っています。
ミネラルは体の機能や形成に大切な要素です。
玄米には含まれていないミネラルもバランス良く摂取しましょう。
・鉄分
鉄分は、酸素を赤血球に乗せて全身に運ぶために必要なミネラルです。
酸素を運ぶために必要なヘモグロビンを作るのに鉄は必要不可欠な存在です。
他にも成長や神経の発達、細胞機能を正常に働かす事に必要なミネラルです。
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、ヘム鉄は肉や魚に含まれています。
非ヘム鉄は、植物や野菜に含まれていています。
ヘム鉄は、肉や魚、特にレバーや魚の内蔵に多く含まれます
非ヘム鉄は、枝豆などの豆類やほうれん草、ブロッコリーといった食材に含まれています。
・カルシウム
カルシウムは、皆さんご存知の通り骨や歯の形成に使われています。
また血管の収縮や筋肉機能、神経の伝達機能にも使われ体内のカルシウム濃度を操作しながら体の運営が行われています。
カルシウムは、小松菜、ブロッコリー、モロヘイヤといった植物性の食品から乳製品や干しエビ、田作りなどの動物性の食品にも含まれています。
またカルシウムを吸収し骨や歯を形成するためにビタミンDやK、リン、マグネシウムなどカルシウム以外の要素も重要となります。
・結局はバランス!
ここまで栄養素について長々と解説してきましたが、結局どれかを取ればすべてが解決することはありません。
例えば造血、血を作り出すにしても鉄分をとりビタミンB12をとっても葉酸がないといけません。
そうした相互作用をバランス良く食事に取り入れる事で健康な体を維持していけます。
食べ物の選択肢が豊富にある現代において、栄養取り方の選択肢は多く存在すると思います。
白米を食べる部分を玄米に変える事によって白米を食べている間では取れていなかった栄養素を補強し、
健康を維持する力に変えて欲しいと願っています。