特別栽培米と田んぼの春
マイセンのプレミアム玄米田んぼでは、様々な昆虫や鳥、植物達が豊かな生態系を形成しています。
今日は、そんな田んぼの生き物が田んぼにもたらす影響を解説していきます。
・生態系が維持されている理由 特別栽培米
プレミアム玄米は、特別栽培米です。
特別栽培米とは、農薬や化学肥料を半分以下で生産するという決まりです。
プレミアム玄米では、「化学合成農薬不使用、化学肥料不使用」で作られています。
その為、プレミアム玄米の田んぼでは、雑草や藻、昆虫、カエル、ドジョウといった様々な生物が元気に暮らしていけるのです。
では、何故農薬や化学肥料を使っていないのに
「無農薬」と表示していないの?
と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それは、無農薬という表示は、行政で禁止されているからです。
雨風や共有水源などを通して農薬などが流入していても無農薬といえるでしょうか?
私は現実的に本当の無農薬などないと思っています。
今でもPOPや通販などで「無農薬」という表示を見る機会も残念ながらあります。
ですが、マイセンは特別栽培米かつ、
残留農薬検査と放射能物質検査を行い安全で安心な玄米をお届けしています。
・田植えが終わった田んぼで見られる生物達
田植えをするために水を張り、田起こしを始めると様々な生物が活動を始めます。
その後、田植えを終え一息ついた田んぼでは、
爆発的に勢力を伸ばす生き物がいます。
それが微生物達です。
・植物性微生物やウキクサ
堆肥によって水中に栄養素が溶け出した田んぼは、
発酵を始めガスと共に栄養が水に溶け出します。
画像:有機物の膜やガス発生
気温の上昇と水によって去年の稲や草も一気に腐敗を始め、
写真のように濁った膜のようになる事もあります。
この状態は、微生物たちにとっては楽園状態です。
その大量の栄養と日光を彼ら植物性微生物が爆発的増え、
それを餌とする動物性微生物やまたそれを餌にする生き物たちが活発に活動を始めます。
マイセンですと、アオミドロやウキクサが良く見られます。
アオミドロは小学校で顕微鏡や微生物について習う時によく使われる教材ですね。
微生物って言うと顕微鏡で見ないと見えない物や細菌みたいな物を想像するかもしれませんが、
有名なミジンコやこういった藻類はしっかり見ることができます。
田んぼを覗いて、ちっちゃな点が動いていたら子供の頃に理科で習った微生物がいるなー
と思い出して見てください。
案外少し水をくんでカメラでアップにしてみるとミジンコぐらいだとしっかり観察できますよ。
画像:アオミドロ
画像:ウキクサ
話がそれましたが、こういった植物達が増えてくる頃に普通の田んぼですと除草剤が撒かれます。
こういった植物が田んぼを覆ってしまい栄養や日光を独り占めしてしまいます。
すると水温上昇が必要以上に抑えられてしまったり、
水面のゆらぎが抑えられ酸素の供給が悪くなったりしてしまいます。
ですので、邪魔者を除草剤で駆除しつつ雑草の予防にも使われます。
しかし、農薬不使用となるとこういったウキクサ達も活用していきます。
水の入れ替えを行う事によって水中の栄養をコントロールすることで、
ガスや有機物を入れ替えて溜まりすぎないようにしバランスを整えてあければ小さな生き物の餌や影になった部分には日光が届かない為雑草が生えにくいといったメリットも存在します。
・活発に活動する春の生き物たち
画像:何が隠れているでしょう!
分かるでしょうかこの溶け込み具合、
自分の体の色をつかった防衛法「保護色」が!
この写真一見何も写っていないように見えますが、
ど真ん中にドジョウがいます。
画像:ドジョウ
画像:隠れドジョウ
彼らは、皮膚呼吸が出来るので水がない間は土の中で耐えています。
春になるとその姿を表し、
ボウフラや虫などを食べてくれます。
画像:タニシ
正真正銘のタニシですね、
ちなみにジャンボタニシは、スクミリンゴガイといい全くの別種です。
周囲の田んぼや実家では、ジャンボタニシを見ないので福井にはいないのでしょか?
タニシ達は、ゆっくりゆっくり移動しながら藻や小さな雑草の芽などを食べてくれます。
さらに水中の有機物も取り込んでくれる為、
水を綺麗にしてくれます。
Youtubeなどで「タニシ 浄化」などと検索していただくとその能力にびっくりすることでしょう。
農薬を使わない製法では、重要な存在です。
画像:トノサマガエル?
この特徴的なフォルムに色、
トノサマガエルでしょうか?ダルマカエルでしょうか?
スラッとした鼻筋がクールですよね。
この辺りでは、もちろんアマガエルもいるのですが、
田んぼの横を歩くとトノサマガエルが、
ドサドサドサ!と一斉に逃げていくのをよく見ます。
私の実家の方ですと、巨大なヒキガエルも見ますがこちらは平野部だからでしょうか?
カエル達は、オタマジャクシとして今の時期は活躍してくれます。
オタマジャクシは、藻や苔を食べてくれるので先程話した藻の大量発生を防いだりしてくれます。
またオタマジャクシは、デトリタス(地面の物を食べている事が多い)なので、
泥を巻き上げてふんわりとした泥にしてくれると言われています。
成長したカエルは、これからもっと稲たちが成長してから虫取りで活躍してもらいましょう。
・自然豊かなマイセンの田んぼ
こうした生態系がしっかりしている田んぼには、
画像:コウノトリ
コウノトリのような貴重な鳥も帰ってきてくれます。
普段も豊富な餌がアオサギやシロサギのような野鳥を誘い、
生態系を廻しつつ防虫にも一役かってくれていることでしょう。
こうした自然と共に稲を作り安全と安心をお客様の食卓へ運べるように、
我々マイセンは今年も精進してまいります。