玄米のプロが伝える玄米の極意
安心と美味しさの背後にあるプロセス

私たちが日々口にするお米や野菜。
それらを安全で安心できる美味しい状態で流通されるまでに多くの人、多くの過程を経て店舗や食卓にならんでいます。
精米する白米はもちろん、玄米も精米する場合とは違ったプロセスで玄米食をするための玄米に生まれ変わっています。
残留農薬とは?
残留農薬とは、玄米を安心して食べる上で一番注目される部分だと思います。
白米では、精米して取り除いてしまう糠(ぬか)を食べる関係上、玄米の方が残留農薬が残りやすいと言われています。
残留農薬とは、農産物を生産する際に使用される農薬が、収穫された後も農産物に残ってしまう事を言います。
農薬の成分は、加水分解や微生物分解、光分解などで分解されたり、雨風で洗い流されたりします。
しかし、作物を収穫する際に残ってしまったり、ルールを破る事で基準値以上に残ってしまったりします。
また、仮に自分が一切農薬を使わずに農作物を作ったとしても、
隣の畑や田んぼに農薬を散布した際に風の影響で意図せず農薬が付着してしまったり、
雨や灌漑水(かんがいすい)に溶けた農薬が水路に流入することで土壌に流れ込んだりする「ドリフト」で農薬が残留することもあります。
残留農薬への対応
皆さんが安心・安全に農作物を食べられるように、残留農薬の量には明確な基準が定められており、
その基準に満たない食品はシャットアウトするという「ポジティブリスト制度」というものもあります。
残留農薬の基準
・毎日一生涯にわたって摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量 (ADI:許容一日摂取量)
・24時間又はそれより短時間の間に摂取しても健康への悪影響がないと推定される量(ARfD:急性参照用量)
マイセンのこだわり
マイセンの玄米は、農薬や化学肥料の使用量が半分以下である「特別栽培米」を取り扱っています。
加えて残留農薬検査はもちろん、皆さんにより安全にお米を召し上がっていただけるよう、地域毎に放射能検査や重金属検査も行っております。
●残留農薬検査 250種類
検出方法:ガスクロマトグラフ質量分析法
●重金属検査 カドミウム、ヒ素、鉛
検出方法:原子吸収光度法
●放射能物質検査 放射性セシウム
検出方法:食品中の放射性セシウムスクリーニング法
これらの検査をすることで安全で安心できる美味しい玄米を皆様にお届けできるのです。
鮮度維持のこだわり
マイセンでは、一年を通して美味しい玄米をお届けするため、徹底した温度管理を行っています。
お米は基本的に年に一度の収穫となり、福井では9月頃から新米の販売が始まります。
ここから一年、この新米を保管しながら販売します。
とれた新米をいかに1年美味しく提供できるかは、品質管理と鮮度の維持にかかっています。
玄米は、20℃以上になると一気に劣化を始めると言われています。
そのため、玄米は一年を通して15℃以下を保つ倉庫で保管、管理されます。
マイセンでは玄米の保管から選別、袋詰め、袋状態での保管に至るまで、
すべての工程を定温倉庫内で行い、鮮度をギリギリまで保ってお客様の元へ送り出しています。
徹底的な選別作業
マイセンでは、こだわりの産地のお米を玄米として食べ、より美味しくなるように徹底的な選別作業を行います。
<選別の流れ>
1.磁石による金属除去・石ぬき
まず、通称「フレコン(フレキシブルコンテナ)」と呼ばれる大きな袋に入った玄米を、石抜き工程にかけます。
収穫後のお米は、乾燥や籾(もみ)取りなどの処理を経て玄米の状態に整えられ、袋詰めされた状態で納入されます。
農家さんがコンバインで刈り取る際に泥や石、他の種子、金属片などを稲といっしょに巻き込んでしまいます。
もちろん、袋詰めされる前に不純物を取り除く工程は行われていますが、
完全に除去することは難しいので納入された直後の玄米には、こういった不純物が入っています。
そこで、強力な磁石を使って金属類を除去し、重さの違いを利用したふるい分けで、不純物を取り除いていきます。
2.グレーダーで小さいお米や籾など小さく軽い異物を除去
筒状の網を回転させ、遠心力を使って選別をする機械を使い、ふるいで取り切れなかった小さな塵(ちり)や泥を取り除きます。
この時に割れたお米や小さなお米も取り除かれます。この不純物を取り除く一連の作業を丁寧にする事が、味に大きく関わってきます。
例えば、泥が残ると水に溶けて臭みの原因となり、割れたお米や小さなお米は炊いても溶けてしまい、べちゃつきの原因となります。
白米のように表面を削る工程が無いからこそ、こういった作業が重要となってきます。
3.色彩選別 虫食い、変色(カメムシなどの食害)、未熟米の選別
色彩選別機という、色の違いをセンサーで判別して選別する機械を使って選別を行います。マイセンでは2台の色彩選別機を通して選別しています。
まず1号機では、「しらた」や「乳白米」と呼ばれる、白く濁ったようなお米を選別しています。
「しらた」や「乳白米」とは、まだ熟し切っていないお米でデンプンが未熟です。
こういったお米は食べられないものではありません。
一般的に売られているお米にもたくさん入っています。
ただし、炊くと柔らかすぎたり溶けてべちゃつきの原因になります。
そのため、より美味しい玄米を提供するために、丁寧に選別を行っています。
4.更に厳しい色彩選別
2号機では、褐色米や虫食い、緑米など、色が付いている玄米を選別しています。
お米は、人間だけではなく色々な生き物に大人気な作物です。
なので、菌が増えてしまったら褐色になったり、虫に食べられたり、風で傷がつくと黒く変色してしまいます。
また、玄米には緑色の玄米もたくさん入っています。
この緑色の玄米は、「しらた」と同様に未熟なお米です。
この緑色は、玄米の糠(ぬか)の部分に葉っぱと同じ葉緑素(クロロフィル)が含まれています。
稲穂を付けたばかりのお米はすべて鮮やかな緑色をしており、この葉緑素が光合成によって太陽の光を受けて糖を生成する、非常に重要な役割を担っています。
また、緑色の玄米にも2種類あり、中身が不透明な「青死米」と透き通った「活き青」があります。
不透明なものは「しらた」と同様、まだ熟していない未熟なお米です。
「活き青」は、中身は熟していますが表面にまだ葉緑素が残っている状態です。
どちらの玄米も食べる上で問題はありませんし、精米して糠(ぬか)をとってしまえば白米になります。
しかし、未熟な糠(ぬか)はどうしても柔らかく、玄米の特徴であるプチプチとした食感が弱いです。
私も1度、緑の玄米を集めて炊いてみましたが、味は想像よりも悪くないものの、どうしても食感が悪い印象を受けました。
マイセンでは、100%完全とはいきませんが、こうした玄米についても全体が飴色になるように丁寧に選別を行っています。
5.目視で確認し、必要に応じて再び色彩選別へ
最後に、担当者による目視での最終チェックが行われます。
最終チェックで取り切れなかった場合は、再度色彩選別の工程を行います。
マイセンは、飴色で美しく美味しい玄米にこだわりと自信を持っています。