仙夜一夜物語

第75回「甲田光雄先生のこと(1)」

 私は本を読むことは大好きですが、車の運転中やトラクター作業の農作業中でも気軽に聞ける「テープセミナー」(最近はオーディオセミナーと呼ばれる)をよく利用しました。
 中でもお気に入りだったのはNHKラジオ深夜便のCDです。中高年層から「大人が聴ける静かな番組」として支持されているようです。放送時間帯はその名の通り深夜ですので、生で聞くことが出来ないので、気に入った番組をCDで聞いていました。
 各界を代表される人生の諸先輩方のお話は、実に興味深く、大きな感動や感銘を受けることも少なくありません。そんな中で私の食や健康に対する考え方に大きな衝撃を与えた方が、今は亡き甲田光雄先生です。

 甲田先生は中学三年の時、慢性の胃腸病、胆囊炎、胆道炎、十二指腸炎、大腸炎など様々な病気を患い、やがて現代医学以外の民間療法や東洋医学へ目を向けるようになったそうです。その後、断食を体験し、慢性的になっていたすべての病気と縁が切れてしまったのです。そして、自らも大阪大学医学部卒業後、甲田医院を設立して菜食の少食療法である甲田療法を確立したのです。

 甲田療法は、一日二食、カロリーを一六〇〇 kcal以下に抑えた食事を何ヶ月にも渡り続けます。食事は主に玄米(あるいは生玄米)、豆腐、青汁です。
 それにより、大量の宿便が排泄され、患者の抱えるあらゆる病気は改善し、健康体になるとされています。花粉症、アトピー性皮膚炎、子宮筋腫、椎間板ヘルニアなどの食生活と関係なさそうな病気から、各種のガン、脊髄小脳変性症、全身性エリテマトーデス、慢性疲労症候群、肝硬変などの難病を根治させた例もあるほどです。

 このお話を聞いて、私自身も早速実践してみました。いきなり朝食を抜くのは大変かな?と不安でしたので、二膳だったご飯を一膳に減らし、次は半分に、そしてお味噌汁だけへと徐々に減らして朝食抜きを実現しました。青汁の代わりにサラダにしましたが、いわゆる市販のドレッシングではなくオリーブオイルだけにしました。お肉はその頃には余り食べなくなっていましたので苦にはなりませんでした。とは言え、お付き合いなどもありますので、お魚は時々食べたりもしました。

 その結果、徐々に体重は減り一時期は、非常に痩せて家族も心配する程でしたが、また徐々に体重が増えて現在の体重(62㎏、ちなみに身長は172㎝)となり、極めて健康体へと変身していったのです。(つづく)

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