仙夜一夜物語

第74回「玄米加工食品の開発(2)」

 玄米粥の後に続く商品として開発に取り組んだ、「玄米珈琲」でしたが、珈琲の様に玄米を焙煎するだけで出来るものと思っていたものの、そうは問屋が卸さず、また開発に行き詰ってしまったのでした。
 そんな中、日本古来のお茶の世界を勉強しているうちに、玄米珈琲の製造工程がお茶の世界にも通じるような気がしました。煎茶にしても「蒸し」「揉み」「火入れ」と複雑な工程を経て美味しいお茶に仕上がります。どこか、この工程にヒントが有るのではないかと考えていた頃に、これまたご縁の神様のお導きがあったのです。

 ある日、遠方の知人がマイセンの玄米を買い求めに訪ねてきてくれました。話は弾み、玄米の色々な素晴らしさについて語り合っていた時、自分が玄米珈琲の焙煎で行き詰まっていることを伝えました。すると彼が、「焙煎の名人を知っているから紹介するよ」と天からの助け舟を出してくれたのでした。
 早速その方を訪ね、自分の玄米珈琲焙煎に関するイメージを話したところ、「その通りですね!」とのお言葉と同時に、すぐさまマイセンの玄米の焙煎に取り組んでいただいたのです。焙煎には数日かかるとのことで、一旦はその場を暇乞いして帰りました。
 焙煎された玄米の到着を心待ちにしていたところ、ついに想像以上の玄米珈琲が届いたのでした。私としては、水やお湯に溶かして飲む方法を考えていたので、微粉末化して更に水に溶けやすいよう造粒という工程も加わりました。
 そして、ついにインスタント玄米珈琲が完成したのでした。感動でした!その方いわく「玄米がこんなに素直で、優しい具合に焙煎されることに驚きました。以前に他の玄米も試したことはありましたが、全く別物の素晴らしい珈琲が出来ました」と大変喜んでいただきました。
 こうして長年の夢の一つが形になりました。ノンカフェインですから、お子様からお年を召された方、妊婦さんまで何方様にも安心してお召し上がりいただけます。しかも極陽性ですから、飲んだ後も身体がポカポカして免疫力も向上します。
 発売後お客様からも、いろいろな飲み方を教えていただきましたが、中でも思わず唸ってしまい、我が家の定番になったのは「お抹茶用の茶筅(ちゃせん)でお抹茶のように泡立てるようにかき混ぜて飲む」方法です。とてもまろやかで美味しくいただけます。豆乳を入れたラテ風もいけます。

 玄米珈琲はお陰様で、発売から今日まで地道に売れ続けているロングセラー商品になりました。全ては、皆様のお力添えの賜物と心から感謝いたします。

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