玄米酵素ごはん~マイセンの見解~

玄米酵素ごはんで一番不思議なことは、炊飯という100℃を超える温度を経ているのに「酵素」が働いているのかということです。通常、酵素は一部の特殊な部類を除いて基本的には48℃前後で死活し、その働きを失うからです。

玄米酵素ごはん(別称寝かせ玄米)の反応はきわめて複雑なため、現代最先端の科学技術を用いても、全てが解明できていません。アミノ酸と糖が反応する、非酵素系の糖化(メイラード反応)と呼ばれている現象などが主と考えられています。このような反応を促進させるときに、温度を周期的に上下動させると、効果的なケースがあることが、経験的に知られてきました。

蓋を開けて撹拌(かくはん)すれば、ある程度温度を上下動させることになります。それによって反応が進んでいる可能性があります。空気を混ぜ込むことで酵素の反応が進む、といった解釈をしている人たちがいるようですが、その効果はあまりないと思います。糠床を、撹拌するのと同じようなことだと解釈しているのでしょうが、酸素を必要とする酵母菌や乳酸菌などの微生物が繁殖しているわけではないので、そうではない可能性のほうが高いと思います。空気に当てれば、基本的には、酸化して劣化していきます。劣化するのではなく熟成が進むわけですから、話が違うようです。73℃ぐらいの温度をキープしながらも上下動させてやることで、異なる温度で促進する複数の反応を起こさせているのだと思われます。温度変化のサイクルを作り出して反応を制御することは、医薬などの製造工程に引き継がれています。反応を促進させるテクニックの一つとして広まっているようです。

家庭で料理を作るときにも、無意識のうちに温度を上げ下げして反応過程を制御し、うまみを引き出しています。お野菜などは一 気に100℃まで加熱しないで、ゆっくり時間をかけて温度を上げていったほうが、うま味成分が増えることは、経験的によく知られています。たとえば、独特のとんがり帽子の形状をしたタジン鍋などは、お野菜を弱火でじっくりスチーム調理できる鍋として、人気がありますね。こういった方向から考えるべき現象の一つだと思います。