玄米甘酒と放射性物質

 今回の大震災による福島原子力発電所の事故で、日本国民が最も恐れていた放射能の拡散被害が発生してしまいました。
 日本在住の沢山の外国人が本国からの指示で早々と帰国しました。ドイツ気象庁を始めとし、ノルウェーなど多くの海外気象関係機関が、放射能の拡散予測シミュレーションを事故当初より発表していたのとは対照的に、日本政府は残念ながら、批判を受けて、1ヶ月以上経過してからの発表となりました。しかし、気象庁は、5月25日、国際原子力機関(IAEA)の要請に基づき行っていた、福島第一原発事故による放射性物質の拡散予測について、IAEAの要請が終了したため、予測を中止すると発表しています。
 当初より、日々のシミュレーションを見ていて思ったことは、風向きによって、遠くは関西方面まで汚染予測地域に入ってしまうことでした。現に、大阪の水道水からも通常以上の放射性物質が検出されました。この事実を目の当たりにして、真っ先に私の脳裏に浮かんだのが、長崎原爆で、被ばく者に成果を上げた、秋月博士の治療法です。

応援の医師も薬も医療器具もない

 秋月博士は原爆投下時、長崎市の爆心地から1キロの聖フランシスコ病院にいました。
 原爆の爆風や熱線から免れた人を、次の段階で襲ったのは、今、福島原発から漏れ出している放射性物質です。
 以下の証言は、1968年11月26日に長崎放送で秋月博士本人が出演されたものです。

 原爆投下から3日目、焼け落ちた浦上第一病院跡に、本原救護病院が設けられることになりました。しかし、救護所とは名ばかり、応援の医師も薬も医療器具もないまま、3百人の重傷被ばく患者が29歳の秋月医師の手にゆだねられました。
「一番に逃げ出したいと思いました。しかし、スタッフは逃げないし、怪我人の半数は自分の顔見知りでした。薬も何もないのに患者の治療をするというのは、医師として非常に苦痛です。だから、本心は、毎日逃げ出したいと思いながらとどまっていたのです。『(医は)仁術(医療は慈愛とおもいやり)』といいますが、例え治療しないでも、医者や看護婦がベッドの側にいるだけで患者が安らぐ、そういうことも実感してきましたから、やっぱり患者を置いていけませんでした。『先生、先生』と頼られれば、そこを離れるわけにはいかなかったのです。ロウソクの灯りを頼りに、火傷には油を筆で塗り、刺さったガラスはピンセットで抜き、あればマーキュロンを塗る、それしか手当できませんでした。」
 爆心地から本原の丘へ迫ってくる死の同心円に怯えながら、秋月医師は被ばく者の手当てを続けました。

玄米には放射性物質を体外に除去する力がある

 

博士は、医療スタッフと患者に対して、徹底的に玄米食養生医学を命じました。
その食事法は、

◎玄米ご飯
◎味噌汁と醤油汁
◎ワカメ等の海草類
◎北海道のカボチャ
◎食塩等の塩分を摂る
(※塩は天然の塩、味噌は無添加の味噌)

このような食事を徹底的にさせました。そして、

×砂糖
×甘いお菓子
これらは絶対に食べないように命じたのです。

「爆弾をうけた人には塩がいい。玄米飯にうんと塩をつけてにぎるんだ。塩からい味噌汁をつくって毎日食べさせろ。そして、甘いものを避けろ。砂糖は絶対にいかんぞ」

 レントゲンを受けた後「放射線宿酔」と呼ばれる症状が起こることがあります。その、全身の倦怠や頭痛などの症状には、体験上、生理食塩水より少し多めの塩分を含んだ水を飲むとよい、ということをとっさに思い出し、原爆の放射能から体をガードするには、塩が有効であることを推理したのです。みそ汁の具は、カボチャでしたが、後に、わかめのみそ汁も多くとったそうです。
 砂糖を禁じたのは、砂糖は造血細胞に対する毒素であり、塩のナトリウムイオンは造血細胞に活力を与えるという、彼自身の食養医学によってです。
「玄米には放射性物質を体外に除去する力がある」とも想像しました。玄米に含まれる「フィチン酸」が放射性物質に直接結びついて、それが体内に吸収されるのを防止したり、放射性物質の活性を下げたり、体外への排泄を促進するはずと考えたのです。
 フィチン酸は糠層に含まれるため、精米して白米にすると無くなります。このことからお米は玄米で食べる事を推奨したのです。「フィチン酸」の排出力は強力です。それ自体は消化されずに体内の毒素を大量に体外へ引きずり出します。
 秋月博士の、この措置の成果は顕著に現れました。他の病院では被ばく者が次々と亡くなったものの、秋月博士の病院では、患者もスタッフも誰一人として被ばくによる犠牲者を出さなかったのです。
 しかし、「食事で被ばく者が生存出来る」と言う奇跡的な情報は医師会では認められなかったので、広がらなかったのです。
 博士の書いた「長崎原爆体験記」(日本図書刊行センター刊「日本の原爆記録」第9巻に所収)という本の英訳版が欧米で出まわり、チェルノブイリ原発事故のあと、ヨーロッパで日本の「みそ」と「玄米」がとぶように売れたということは、あまり知られていません。
 私は、この話を聞いていたので、日本の子供たちを守るために、本当は「玄米食」と「味噌汁」を普段の食事に取り入れていただきたいと心から願っているところです。

玄米甘酒

 原発事故からは、今も毎日、放射性物質が放出され続けています。ことは緊急を要しているにも拘わらず、遅々として玄米食の普及は進みません。そこで、玄米と味噌の両方の効能を兼ね備えたモノとして、「玄米甘酒」を大急ぎで開発したのです。
 秋月博士が、味噌が持つ、どの機能に着目したのかを私なりに考えて、得た結論は、「麹(こうじ)菌」でした。
 麹菌が米を発酵させる過程で、様々な解毒機能を持つ物質を生産しているのではないかと想像したのです。麹菌をはじめ、微生物が作り出す有益物質には多くの未知の部分があり、こうした解毒物質があっても不思議ではありません。
 玄米と麹菌の組み合わせと言えば、「玄米味噌」の他に考えられるのは「玄米甘酒」です。玄米を麹菌で発酵させ、お湯で溶くだけのシンプルなものです。糖度は40度と極めて甘いのですが、白砂糖のようなしつこさもなく自然な甘さで、老若男女、誰もに好まれる味です。勿論、甘酒と言ってもアルコールは含まれていません。味噌と違って、塩分を摂りすぎる心配もなく、毎日たくさん手軽に食べていただけます。
 そもそも、甘酒は夏の栄養ドリンクとして江戸時代から広く親しまれ、俳句の季語でも「夏」となっている程です。
 これからの季節は、ショウガを入れて冷やして飲めば口当たりもいいです。寒くなれば、お湯で割ると体もぽかぽかです。また、砂糖の代わりとして、お料理やお菓子作りに利用することもできます。
 大人は勿論、甲状腺を守るためにも子供(放射能のヨウ素は成長期の甲状腺に蓄積され、ガンの原因になります)たちにどんどん飲んでほしい、そんな思いで今回の「玄米甘酒」を完成させた次第です。